★理数科の課題研究発表会が行われました ≪後編≫★

 理数科課題研究発表会の後編です。

 8班は物理班、「リニアモーターカーをモデルとした装置の作製」。日本でも2027年度に開通が予定され、静岡県も通る予定のリニア新幹線で身近になりつつある、リニアモーターカー。最近は大井川の水問題に関してニュースで取り上げられているのも聞きます。車体の超電導電磁石とレールに取り付けられた電磁石間で発生する引力と反発力を利用して前進することはよく知られているが、その原理を活用して電磁石を使って車体を加速していく装置の製作を行った研究です。

  

 9班は地学班、「おいしい水を求めて」という水の研究。ミネラルウォーターでの研究はよく聞くが、この班は「水道水」に目を付けて、班員3人の自宅の水道水や公園の水道水、本校の水道水を陽イオンクロマトグラフィーとキレート滴定で水の硬度を調べ、プリミティブな方法ではあるが利き水で味と臭気を調べ、その結果を発表した研究となった。結論としては「おいしい水=飲みやすい水」ということになりました。
 

 10班は物理班、「非弾性ボールはなぜ跳ねないのか」という研究。非弾性なのだから跳ねないのは当たり前だが、跳ねないのはなぜ?という疑問を抱き、解明するために研究を行った。エネルギーの変化に着眼し、力学的エネルギーが熱エネルギーに変化していくのでは、という仮説を立て、それを証明すべく研究を進めたものです。何が反発係数の減少につながっているのか、を追求した研究でした。
 

 11班は数学班、「47都道府県の最短経路を調べる」という全員が地理を履修している理数科らしい研究。まずは「最短経路は交差しない」という仮定を立てそれを証明、そのあとexcelの関数とソルバー機能を活用して最短距離を求めた研究を行った。日本で初めて地図を作った伊能忠敬を思わせる研究の発想、VLOOKUP関数を使うなどして直線状の最短距離を求めました。やはり内陸の都道府県をどう巡回するか、が決め手となったようです。
 

 12班は物理班、「振動による物体の移動」。携帯電話のバイブレーション機能など、振動する物体は振動以外の外力を加えずとも移動するということに目を付けて、携帯電話の振動モーターを実際に取り出して実験を行った意欲的な研究を発表しました。sin, cos, tanという三角関数を用いて解明していたのが印象的でした。
 

 13班は生物班、「植物の生育に適した肥料の分量について」の研究。店頭に並んでいる植物用肥料の内容物が、同じ植物銘柄を対象としたものなのに、分量に違いがあることに疑問を抱き、生育に最適な分量比率はどれなのかを解明していく研究を行いました。サニーレタスを用いて、植物の生育に必要な三大栄養素、窒素(N),リン酸(P)、カリウム(K)をどれだけ多く含んでいるのかを探求しました。
 

 14班は物理班、「条件による糸のほつれ方について」の研究。普段の生活で糸がよくほつれる経験から、どのような条件下で糸がほつれていくのかを研究実験。ここまでであれば家庭科などの課題研究となるが、布に糸を一本縫い、上部は固定して下部にバネばかりをつけて引っ張って、糸の切れた時の力の測定を行う物理の研究を行いました。
 


 どの研究も非常に興味深く、きちんと理路整然と証明されており、とても高校二年生の研究とは思えないハイレベルなものでした。

 この研究成果を来年度の大学受験に生かしていって欲しいです。

 保護者も多数聴講に来てくださいました。ありがとうございました。